痛みのある痔・ない痔、その違いについて
肛門とは、一般的に、おしりの穴から直腸側に向かって約3cmまでの管状部分のことを指します。そして、肛門の腸と皮膚の2つの組織が結合した連結部は、歯のようにギザギザしていることから、歯状線(しじょうせん)と呼ばれています。この歯状線より上の腸の部分は直腸粘膜、歯状線より下の皮膚部分は肛門上皮と呼ばれます。
肛門の組織
痛みを感じる部分と感じにくい部分がわかります。
2つの組織の違い
直腸粘膜 | 肛門上皮 | |
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どこにある? | ・歯状線より上にある | ・歯状線より下にある |
違い(1) | ・通常は痛みを感じない痛みを感じとる知覚神経がほとんどない。このため、通常、内側のいぼ痔(内痔核)は痛みを生じない。 | ・痛みを感じる痛みを感じとる神経(知覚神経)が多く通っている。 |
違い(2) | ・ある程度の伸縮性がある | ・伸縮性があまりないため切れやすい便秘などで硬い便が通ると切れやすい。このためきれ痔(裂肛)が生じる。 |