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これからのお灸の研究について

デルマトーム 自律神経反射の話

デルマトーム(皮膚分節)とは、脊髄から出る31対の脊髄神経のうち、どの脊髄神経によって支配されているかによってヒトの身体をエリア分けした領域(分節)のことです。これにより、痛みやしびれが生じている場所から、どの脊髄神経で障害が起こっているのかを判断することができます。

・デルマトーム(皮膚分節)

このデルマトームはお灸治療でも活用できます。例えば、背中の肩甲骨の下あたりにある膈兪、肝兪、脾兪と呼ばれるツボは「胃の六つ灸」と呼ばれ、胃腸の調子をよくするツボとして有名です。背中にあるツボを押して、離れた場所にある胃が刺激されるのは、これらのツボと胃のデルマトームが同じだから。つまり、同じ脊髄神経を通って、間接的に刺激が伝わっているのです。

関連痛とお灸の話

「関連痛」という言葉を聞いたことはありますか?関連痛とは身体のとある部位に障害が生じたことが原因で起こる不具合とは別に、原因となる部位から離れた部位で感じる痛みのことです。例えば、心筋梗塞や狭心症で肩甲骨周辺の痛みが出たりするというように、障害場所は心臓のはずなのに肩や腕、背中に痛みが出てくる、というものです。

これは、障害のある場所の痛みの信号が伝わる神経が、同じ脊髄に伝わる神経を持つ別の場所からの信号だと脳が誤認することにより起こると言われています。

この現象を逆手にとって、関連痛が出るところにお灸で温熱刺激を与えることで、身体の不具合の原因にアプローチすることも可能です。

例えば、便秘の時に、腰の後ろの背骨のあたりが痛くなることがありませんか?これは「大腸兪」というツボに痛みが生じている可能性が。このツボをお灸で刺激すると、大腸の動きが活性化され、便秘の解消につながることがあります。人によっては即効性があり、ツボを刺激している最中に便意を催すことも。 このように、痛みが出ている箇所にお灸でアプローチすることで、痛みの原因になる症状も解消することができるのです。

この記事の監修

九州看護福祉大学 大学院 看護福祉学研究科 健康支援科学専攻
看護福祉学部 鍼灸スポーツ学科
塚本 紀之 先生

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