おしりが痛いのはすべて痔のせい?機能的肛門痛など、痔と間違えやすい病気
痛い
肛門の痛みは「きれ痔(裂肛)」「いぼ痔(痔核)」「肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)・痔ろう」などによる症状ですが、痔がないにもかかわらず、肛門に痛みを感じる場合があります。また、病態のよくわからない痛みもあります。
機能的肛門痛
どんな病気?
「機能的肛門痛」とは、痔などのはっきりした原因がないにもかかわらず、肛門に痛みを感じる病態を指します。神経や肛門括約筋の過度の緊張が背景となっているものもありますが、原因のよくわからない痛みもあります。
なぜ間違えやすい?
肛門が痛いので痔による症状と思い込みがちですが、痔の痛みとは違って、排便と関係なく痛みが現れるのが特徴です。
肛囲毛嚢(もうのう)炎
どんな病気?
肛門周囲の皮膚にできる通常の毛嚢炎です。毛嚢炎とは細菌感染症の一種。肛門にある毛嚢(毛根を包んでいるところ)に炎症が起こり、毛穴の場所が赤くなります。肛門に傷がある場合や清潔な状態ではない場合などに細菌に感染しやすくなって起こります。
なぜ間違えやすい?
肛囲毛嚢炎は、膿を排出し、痛みのある小さなしこり(はれ)ができることから、膿のトンネルができる痔ろうの症状によく似ています。自然に治る場合もありますが、痛みやはれがひどいときは病院を受診しましょう。