ドクターに聞く
「妊産婦の便秘と痔。予防の方法は?」
何かと制約も多い妊娠期。運動も食事も簡単に続けられる工夫が大切。
妊婦が痔になりやすい原因として、まず便秘になりやすいことが挙げられます。つわりが始まる妊娠初期は、ご飯を食べられない方も多く、便秘になりやすいとされています。また、妊娠後期はお腹が大きくなるので、大腸が圧迫されて物理的に便秘を起こしやすくなります。便が出にくいからといって、いきむと痔は悪くなってしまいますから注意が必要です。お腹が大きくなるのは止められないので、普通に食事をして、一駅分だけでも良いので歩ける範囲は歩く、階段を使うなど、継続することが大切です。
食事では、発酵食品や海藻類などの食物繊維をとるのが良いですが、偏らずに食べることが大切。大麦系を少しご飯に入れたり、かんぴょうを卵焼きに入れたりするのも良いですね。忙しくて時間がない方には、海苔を味噌汁に入れたり、納豆をスープに入れたりするのも良いと思います。運動も食事も構えてしまうと続けるのが大変になりますから、少し体を動かしたり美味しく食べたりする工夫を「簡単にして続ける」ことがポイントですね。
日本橋レディースクリニック 院長
馬場真木子 先生
妊娠中は我慢せず、便意を感じたらすぐトイレへ。ただし時間は3分以内。
妊娠中は、肛門周辺の血流の悪化や、黄体ホルモンによる腸の動きの悪化で、痔や便秘になりやすい状態です。ただし全ての妊婦さんが便秘になるわけではなく、下痢になる方もいます。痔には便秘も下痢も良くありませんので、基本的には便通を整えることが大切です。まず食物繊維をたっぷりとる。ただし妊婦さんの場合は、子宮による胃の圧迫や、体重コントロールで食べられないこともありますので、その場合はお薬を使うことがあります。
食事以外では便意を我慢しないこと。我慢すると便が固くなりますので、便意を感じたらすぐにトイレへ行くのが理想です。ただし排便時間は3分以内。残便感がある場合も全部出そうとするのではなく、残っている便は放っておいてください。おしりまわりを清潔に保つには、温水洗浄便座を使えば心配ないでしょう。あとは温めることですね。
マリーゴールドクリニック 院長
山口トキコ 先生